古典敬語詳説中村幸弘・大久保一男・碁石雅利 著古典敬語を容易に理解するためには、これらの単語や語句の、本文中での場面が見えてこないと理解しづらいので、全用例にはシチュエーションと現代語訳を添え、 通読すれば上代・中古・中世の古典の、敬語が含まれる名場面に出会えるという、先生方の授業にも役立つ一書。 2002年9月
A5判上製本カバー・544ページ ISBN:4-8421-0011-7 C3081 本体 4,760円+税 |
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内容目次
第一章 敬語総説 一 待遇表現と敬語表現 二 敬語表現を用いる場面とその要因 三 古典敬語と現代敬語 四 古典敬語の分類 五 敬語語彙の類別 六 古典語の理解と敬語 第二章 古典敬語各説(一)――敬語動詞―― 一 交替形式敬語 二 敬語動詞(一)――尊敬動詞 三 敬語動詞(二)――謙譲語(甲)動詞 四 敬語動詞(三)――謙譲語(乙)動詞 五 敬語動詞(四)――丁寧語動詞 第三章 古典敬語各説(二)――敬語補助動詞―― 一 添加形式敬語と転換形式敬語 二 敬語補助動詞(一)――尊敬語補助動詞(添加形式) 三 敬語補助動詞(二)――謙譲語(甲)補助動詞(添加形式) 四 敬語補助動詞(三)――謙譲語(乙)補 五 敬語補助動詞(四)――丁寧語補助動詞 六 敬語補助動詞(五)――転換形式尊敬語補助動詞 七 敬語補助動詞(六)――転換形式丁寧語補助動詞 第四章 古典敬語各説(三)――敬語助動詞―― 一 補助動詞と助動詞との別 二 尊敬語助動詞「す」「さす」「しむ」 三 尊敬語助動詞「る」 四 上代の尊敬語助動詞「す」 第五章 古典敬語各説(四)――接辞・名詞・その他―― 一 敬語接頭辞「御」(①尊敬 ②謙譲) 二 敬語接尾辞「たち」と「ども」(①尊敬「たち」 ②親愛および卑下「ども」) 三 敬語名詞 四 敬語表現形式(一)――尊敬表現「尊敬名詞+あり・なる」 五 敬語表現形式(二)――「御+形 六 敬語表現形式(三)――主体を敬う「~に」 七 敬語表現形式(四)――「の」「が」の尊卑 第六章 敬意の方向 一 素材敬語と対者敬語 二 主体敬語の敬意の方向 三 客体敬語の敬意の方向 四 対者敬 五 謙譲語(乙)の敬意の方向 六 二方向に対する敬語 七 異種の敬語の重なりと、その敬意の 八 「聞こえさせたまふ」「―きこえさせたまふ」の六種 九 「奉らせたまふ」「―たてまつらせたまふ」の六種(①使役 ②尊敬) 第七章 敬意の段階差 一 敬意の段階と表現 二 尊敬語の敬意差 三 謙譲語(甲)の敬意差 四 二重敬語と最高敬 五 敬意差をつけるための「す」「さす」 六 敬意逓減の法則 第八章 敬語と構文 一 尊敬語と文の成分 二 謙譲語(甲)と文の成分 三 謙譲語(乙)と文の成分 四 会話文・心内文と敬語 五 会話文・消息文と丁寧語 六 語り物の地の文と丁寧語 第九章 敬語の特殊相 一 自敬表現と自己敬語 二 尊大表現 三 謙譲動詞の尊敬語化――「参る」「奉る」 四 尊敬語と丁寧語との共起例――「はべりたうぶ」 第十章 敬語を含む慣用連語 一 「ものしたまふ」「わたらせたまふ」 二 「御覧ぜさす」「御覧ぜらる」の三相(①ご覧に入れる ②ご覧いただく ③ご覧になる) 三 「見えたてまつる」「見せたてまつる」の三相(①見ていただく ②お目にかかる ③お目にかける) 四 「覚えたまふ」の四相(①自発 ②受身 ③似ている ④可能) 五 「思さる」「思し召さる」の四相(①自発 ②尊敬 ③受身 ④可能) 六 「召さる」の二相(①受身 ②尊敬) 七 「れたまふ」の三相(①自発 ②可能 ③受身) 事項・語彙索引 |