源氏物語のなぞ(夕顔・葵の上・浮舟を中心に)飯村博 著
多数ある源氏研究書とは一線を画す、源氏研究の絶好書。「表現に一貫性があり、理屈に合った書き方がなされている、という前提に立って読み直してみると、
『源氏物語』につきまとっていた矛盾が次々に解消されてゆく。…」(本書あとがきより)。
ISBN:4-8421-9401-4 C0395
本体 1748円 |
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目次
第一編 「夕顔という女」のなぞを追う 一 「夕顔」の巻にある矛盾 二 なぜ「あて推量に源氏の君」あのか 三 黒須説「夕顔の花は源氏を表象しない」 四 見知らぬ車の主になぜ歌を送ったか 五 「夕顔という女」の波紋 六 夕顔の花に残る最後のなぞが解けた (1)「三つのことば」は誰を制約するか (2)夕顔の一致は偶然ではなかった (3)「三つのことば」の意味をさぐる (4)返歌の意味 (5)二人はいつ結ばれたか 七 問題にとり組む基本姿勢について 八 覆面をして女に会う話 九 源氏は覆面をしていない 十 覆面をはずした源氏 第二編 「夕顔」をとり殺した女の正体 一 なにがしの院の怪に対する諸説 二 女の正体をつきとめる手がかり 三 もののけ 四 夢 五 「もの」と「もののけ」はどう違うか 六 「もののけ論」の難点 七 夢ともののけ 八 女の正体 九 怨み言の意味 第三編 葵の上は頭の中将の姉さんである 一 定説は妹 二 「いもうと」の意味 第四編 源氏のおほやけ事しり給ふ筋 一 「源氏の」の解釈がおかしい 二 私案「源氏の」の意味 三 親王と源氏 第五編 浮舟は雨に濡れたか 一 浮舟の失踪と宇治十帖の作者 二 あらすじ 三 「浮舟」と「手習」のつながり 四 浮舟は雨に濡れたか 五 雨はいつ降ったか 六 失踪前後の全体像 七 作者はやはり紫式部 八 再び「手習」の巻の始まりについて 第六編 武田説「源氏物語成立論」とその周辺 一 辻褄の合わない記述の例 二 武田説「源氏物語の最初の形態」 三 武田説を読んで 四 現時点に於ける武田説 五 武田説の当否 六 なお残る特殊な矛盾 七 私案「故意説」 あとがき |